
DNA自体が発見されたのはこのグリフィス博士の証明よりも60年もまえのことで、スイスの化学者F.ミーシャーが発見した。名前の由来は核の中からとれた酸性物質ということで核酸(Nucleic Acid)となった。
DNAの正式名称はデオキシリボ核酸。遺伝子を構成する物質であり核酸の一つである。DNA分子はデオキシリボースという糖とリン酸と塩基からなるヌクレオチドという単位が長くつながった2本の鎖が同一軸を中心にらせんをえがく「二重らせん構造」をしている。この2重らせんのモデルはJamesWatsonとFrancisCrickによって解明された。
DNAは塩基、リン酸、糖という3つのパーツから成り立っている。糖はデオキシリボースからなる。塩基とはDNAやRNAの構成成分のことである。この3つのパーツが一つのユニットとして何度も繰り返されるものがDNAである。糖とリン酸はどのユニットにも同じ物がついている。DNAを構成する塩基には4種類あり、アデニン(A:Adenine)、グアニン(G:Guanine)、チミン(T:Thymine)、シトシン(C:Cytosine)である。AとGのことをそれぞれプリン塩基とよび、TとCのことをピリミジン塩基と呼ぶ。プリン塩基は6角形と5角形の二つのリングからできている、ピリミジン塩基は6角形一つからできている。よってプリン塩基のほうがピリミジン塩基よりも大きいということになる。
プリン塩基
ピリミジン塩基
次に示したものがヌクレオチドと呼ばれるユニットで、塩基(ここではアデニンを例とする)に糖がついたものである。正式にはデオキシアデノシンというが、これでは長いので普段dAと略される。その他のものも同じようにdG(デオキシグアノシン)、dT(デオキシチミン)、dC(デオキシシトシン)と表記する。
ヌクレオチドの図

次の図に示したものが一本鎖のDNAである。これは、ヌクレオチド(塩基+糖)とヌクレオチドがリン酸を挟んでつながったものである。矢印で示したものが、DNAの鎖が酵素などによって伸びる方向である。習慣として、矢印は5’の端から3’の端に向かう。この5’と3’とは5角形の糖についている番号のことである。