日本でのクローン研究
いつ頃から研究されているのか?
核移植の方法による研究は1980年代の半ばごろから。この核移植法を日本に導入したのは現在近畿大学教授で当時農林水産省畜産試験場に所属していた角田先生で、この人が導入してまもなく前核置換によるクローンマウスの作成に成功し、それから研究が本格化しました。はじめは、マウスの研究が中心で
あったけれども1989年頃から牛を対象として研究をはじめました。
日本で誕生した最初のクローン牛
1990年の2月に千葉県畜産センターの研究員が農林水産省畜産試験場で技術指導を受けて核移植によって子牛を誕生させました。
それからやや遅れて全農の中央飼料畜産研究所でも成功しました。 しかしどちらも1頭だけの誕生でクローン兄弟が実際に誕生したのは1993年の東京農業大学総合研究所と協同飼料、栃木県酪農試験場の共同研究によるものでした。
現在3つ子、5つ子のクローン牛を何組も生産するのに成功しています。
仮に30個の胚細胞をもつ受精卵(胚)から核移植をすると、30-50%が仮親の子宮に移植できる状態まで発育します。さらに、移植して妊娠する割合が20-50%程度です。妊娠しても難産などで死亡するものが10%弱程度ありますので、クローンの子牛として生産されるのは3-6頭前後だと思います。しかし、核移植して分裂した胚を再び核移植することによってクローン胚の数を増やすことができます。この方法を使えばクローンの子牛の数はもっと増えると考えられます。実際に奈良県・近畿大のグループでは3回核移植を繰り返して100個近いのクローン胚を作成してますし、全農で生まれた一卵性の5つ子はこの方法を用いています。前にあげた数多くの研究機関のほとんどがこれらの技術水準を達成可能であると考えられますので、このことから日本の技術水準は平均してみても世界的にかなり高いレベルにあると考えられます。